
食と健康学類 食資源開発学コース 発酵科学研究室 4年
小川 和夏さん
衛生管理や食品加工の深い学びを生かして
消費者に安全安心な商品を届けたい
食に関わる微生物の研究を通じて衛生管理への関心が深まった
高校時代に、学校農場で作物の生産から収穫を体験する授業をはじめ食について学ぶ機会が多くあり、大学で食の領域に関してさらに探求したいと考えていました。食と健康学類では、食品全般を扱い、それぞれの生産・製造工程を学べるだけでなく、健康・医療など、食に関する学びが幅広く、興味を持った分野についてさらに深掘りして学べることに魅力を感じ、酪農学園大学への進学を決めました。
食と健康学類の特徴は、実際に体験しながら学ぶことで理解を深められるところです。食品加工の学びでは動物と触れ合うところからはじまり、加工して食べるところまで一貫して体験できます。栄養の分野では食資材の特性などに関して分析・解析をして結果を出すところまで、本格的な実験を行います。座学だけではイメージが湧きにくいところも、実体験を通して具体化でき、座学の内容もより着実に身につきます。
食について学ぶ中で、食品や人間にさまざまな影響を与える微生物に興味を持ちました。例えば味噌づくりで重要な酵母も微生物の一種であり、一方で、生ハムには生肉からつくる製造工程の中で、食中毒につながる微生物が多く付着しているなど、発酵食品と微生物は密接な関係にあります。研究室では生ハムの菌種同定を行っており、製造工程ごとに採取したものをさまざまな方法で解析し、安全な生ハムの提供に生かせるよう、菌叢の変化を調べてどの工程がどの菌種に対して有効なのかを明確にしていきます。
微生物の分野の学びは、衛生についての興味にもつながりました。食中毒を引き起こす微生物も多数存在しますが、日々の生活で我々が滅多に食中毒にならないのは、衛生管理を行ってくれる方々がいるからです。それに憧れて、私も衛生管理の職に就きたいと考え、卒業後は衛生管理業務を主とする会社へ就職することが決まりました。大学で培った衛生分野の知識や食品加工の分野で学んだことを生かして、消費者に安全安心な商品をお届けできるよう頑張りたいと思います。