今後はさらに北海道のためになる業務をしていきたい

久郷 真治さん

環境共生学類 野生動物学コース
2020年3月卒業

北海道日高振興局 保健環境部 環境生活課
久郷 真治さん

入学当初は、野生鳥獣の保護・管理について、現地調査に興味を持って講義や研究に臨んでいました。しかし実際に経験するうちに、道や市町村を軸に成り立っていることを知り、行政職に興味を持ちました。自然をコントロールすることはできませんが、人であれば折衝することが可能です。野生鳥獣の保護・管理において、方針や施策を決め、現場との調整役となる行政職は非常に重要なポジションであると考え、道職員への就職を決めました。

現在の業務は農林業被害防止としてのエゾシカ対策が中心で、数を管理する捕獲事業や肉処理施設認証関係のほか、現地調査や関係機関との調整事務などを行っています。酪農学園大学では生物多様性保全研究室に所属し、研究テーマは人と動物との軋あつれき轢、特にシカに関してと、今の業務に直結する内容でした。在学中に得た専門的な知識と、身をもって学んだ現場の実情は、行政的な考えに偏りすぎない施策や方法に生かされています。また本学の先生方だけでなく、当時の研究で関わった研究者やコンサルタントの方々が、道の野生鳥獣関係の会議に出席されています。本学で築いた人間関係が、業務をスムーズに進めるために大いに役立ってくれています。

今後はさらに北海道のためになる業務をしていきたいと思います。国または道の指針および現場の実情をよく理解したうえで、最大限の効果を発揮できるような、それぞれが譲歩できる妥協点を見つけ出し、事業等を実施していきます。本学でお世話になった先生方と仕事で関わり、恩返しもできたら最高ですね。

本学では、普段経験できない特殊な機会に巡り会えるチャンスが多く、知見を広げ専門性を高めたい方にはとてもおすすめです。専門性はその分野ではもちろん役立ちますが、多様な役割・職域の方が働く行政職の中ではより強力な武器になります。ぜひ機会があれば、将来の選択肢として道職員も考えてみてください。
久郷 真治