農家の方の声を聞き、畜産の現場に還元していく

須藤 由貴さん

循環農学類 酪農学コース
2019年3月卒業

青森県 農林水産部畜産課
須藤 由貴さん

現在は青森県における畜産業の振興が仕事で、酪農・養豚・養鶏を担当しています。乳用牛の能力検定や乳質のデータを、酪農家が活用するための体制を構築したり、地鶏である「青森シャモロック」の品質を保つためのブランドの管理などの業務を行ったりしています。

在学中に所属していた家畜管理・行動学研究室では、全国の畜産農家の現地調査を実施。農家だけではなく飼料メーカーや農協などの畜産関係者の方からも学ぶ機会があり、地域の畜産業を支えている職業に魅力を感じていました。大学で学んだ知識と経験を地元である青森県で生かしたいと思い、現在の職業を選択しました。

酪農学園大学は学生の意欲に一生懸命応えてくださる先生ばかりで、たくさんの知識・技術を学びました。研究室の森田教授からは、「現場で学び、現場に還す」を教わっていたため、今でも地域の現状を知るために現場に足を運ぶことを常に心がけています。実際に農家の方と話すことで、統計などの数字だけでは見えない課題が抽出でき、施策の検討へ繋げることができています。大学2年生のとき、浜中町で行った酪農実習では、素人の私でも搾乳や子牛の世話を経験させていただき、丁寧な搾乳作業を身につけることができました。そこで学んだ現場の感覚は農家の方と共有できるため、聞き取りなどの業務で大いに役立っています。研究室の活動で全国の畜産農家を訪問したことも、他県の畜産環境を知ることができるありがたい経験でした。

今後は、農畜産がさかんな青森県の強みを生かした畜産業を目標としていきたいです。例えば必要な稲わらやもみがらは、県内の米作りで出た物を無駄なく流通させることを考えています。「行政は農家のために何かしてあげるという目線ではなく、一緒に作っていくという目線が大事。」という先輩からの言葉は今でも意識しています。何年経っても農家の方の声を聞き、現場を見ることを継続していくつもりです。
須藤 由貴